[原子力産業新聞] 2007年5月10日 第2378号 <3面>

米電力ドミニオン社がGEと調達契約 新設に向け資器材調達へ

米の電力会社ドミニオン社は1日、新規建設プロジェクトに関する主要資器材について、GEエナジーと調達契約を締結した。詳細は公表されていないが、GEのESBWR(革新型単純化BWR)の建設に必要な大型鍛造品や、工程上重要な原子炉やタービンの部品など、調達のリードタイムが長い資器材を確保するのが狙いだという。

ドミニオン社はノースアナ原子力発電所(=写真)への増設プロジェクトを掲げており、すでにNRCに対し事前サイト許可(ESP)を申請中、建設・運転一体認可(COL)についても年内の申請を予定している。米国ではほかにも多くの新規建設プロジェクトが発表されており、それらの建設が具体化すると、資器材の調達がきわめて困難になると考えられている。

ドミニオン社は新規建設の正式決定を下しているわけではないが、今回締結された調達契約は、同社が新規建設を決定した場合に備え、あらかじめ必要な資器材の供給を確保する意味合いを持つ。

GEの原子力事業部門を統括するGEニュークリアエナジーのA.ホワイト社長は、「今回の受注は、米国内で1980年代以降初めてとなる新規の原子力発電所建設準備に向けた大変大きな一歩。GEは電力会社が求める建設工期に合うように機器製造を開始する準備ができている」と強い自信を示した。

またドミニオン社の発電所運営部門であるドミニオン・ジェネレーション社のM.F.マクゲトリック社長兼CEOは、「GEエナジーとの調達契約の締結は、健全な経営判断。他社も新規建設の検討を行っている状況下において、近い将来に主要資器材の調達がより一層難しくなることを想定し、先手を打つことは意味がある」と語った。


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