[原子力産業新聞] 2007年5月17日 第2379号 <2面>

文科省部会 大型ビーム装置で 産業界利用も促進へ

文部科学省の量子ビーム研究開発作業部会(主査=井上信・京都大学名誉教授)は4月26日、「量子ビームプラットホーム」構想の検討を開始した。J―PARC、RIBFの本格運用開始を前に、産業界のビーム利用促進を図る考えだ。

SPring―8、J―PARCなど、大型量子ビーム施設は、日本原子力研究開発機構他、研究機関間の連携を通じ、成果を上げつつある一方で、産業界では、ユーザーを支援する人材・体制が不十分な状況から、利用があまり進んでいない。これを受け、産業界が施設を相補・一元的に活用できる体制整備の検討に同作業部会は着手した。

本構想では、量子ビーム施設運営者と利用者とを結ぶ窓口として、「量子ビームプラットホーム」を整備、施設利用を希望する企業・研究機関からの相談を一元的に受ける。プラットホームは、課題の整理・研究計画立案、適切な量子ビーム施設の紹介、技術支援、事務手続き代行など、サービスをユーザーに提供。これにより、産業界ユーザーを呼び込む体制を整備するともに、施設の横断的利用を通じた人材育成にもつなげていく。


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