[原子力産業新聞] 2007年5月17日 第2379号 <3面>

米サザン 共同プロジェクトから撤退 自社プロジェクトに専念

サザン・カンパニーは7日、自社プロジェクトに専念するため、ウィリアム・ステイツ・リーV原子力発電所プロジェクトから撤退することを発表した。同プロジェクトは、デューク・エナジーとサザン・カンパニーの共同プロジェクトとして計画されていた。

両社は昨年3月、サウスカロライナ州チェロキー郡への新規原子力発電所(同7月にW.S.リーVと命名)建設プロジェクトを発表。採用炉型はウェスチングハウス社製のAP1000×2基で、デューク・エナジーが単独で運転するが、計220万kWの設備容量のうち、デューク・エナジーが170万kW、サザンが50万kWを所有するとされていた。

こうした中サザン・カンパニーは、A.W.ボーグル・サイト(ジョージア州)への新規建設プロジェクトも抱えており、「リーVプロジェクトは実現可能性が高いが、今はボーグル・プロジェクトに資金と人材を集中するべき」と判断。今回の撤退決定に至った。

サザン・カンパニーの決定を受けデューク・エナジーは同日、「W.S.リーVプロジェクトは供給計画上重要な役割を占めている」(E.ルフ・デューク・エナジー・カロライナ社社長)として同プロジェクトを単独で継続する方針を発表。デューク・エナジーのJ.ロジャースCEOも、「地球温暖化防止の観点から、温室効果ガスを排出しない電源への拡大は当然の流れ。原子力発電は、温室効果ガスを排出せずに大規模な電力を発電する上に、商業的にも最良のオプション」と強調した。デューク・エナジー取締役会も10日、同方針を承認した。

デューク・エナジーは年内にも、建設・運転一体認可(COL)を米原子力規制委員会(NRC)に申請する予定で、すでに1億2,500万ドルのプロジェクト予算を計上している。


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