[原子力産業新聞] 2007年5月31日 第2381号 <1面>

総点検結果を検査制度に反映 9月から一部前倒し 検査の在り方検討会 保安院案を了承

総合資源エネルギー調査会原子力安全・保安部会の検査の在り方に関する検討会(委員長=班目春樹・東大院教授)は24日、第22回会合を開催、発電設備の総点検を踏まえた検査制度の見直しなどを審議した。このなかで保安院は、保全計画の記載事項に「プラント停止時の安全管理」などを追加するとともに、一部制度の見直しを前倒し、今年9月に施行する方針を示した。同検討会もこれを了承した。

来年4月からの全面施行を目指す新しい検査制度は、@保全プログラムに基づく保安活動に対する検査制度の導入A安全上重要な行為に着目した検査制度の導入−−を骨子とする。定期検査の間隔も事業者が定め、国が認可するという仕組みだが、国は一定の間隔を定め、事業者はこの間隔の範囲内で申請する。同間隔の具体案などについては、同委員会の下に設置した保守管理検討会などで審議しており、8月上旬までには最終案が示される見通し。

保全プログラムの一部である保全計画の記載要求事項に「プラント停止時の安全管理」を追加するのは、総点検で明らかになった停止時の臨界事故の発生などに対応するもの。併せて、同記載要求事項に、「定期事業者検査以外の安全上重要な保守点検活動の計画的実施」の追加も求める。

一方、当初新しい検査制度は全て来年4月からの施行を予定していたが、これを前倒し、今月中に省令案を取りまとめ、9月施行とするのは、@安全上重要な行為に着目した検査制度の内の「原子炉の起動・停止操作及び運転上の制限を逸脱した時の保安検査、立入検査」A根本原因分析のためのガイドライン整備B警報等印字記録(アラームタイパー)の記録保存の義務化、原子炉主任技術者の独立性の担保、安全管理情報の共有――など。

保安院は、「総点検結果を反映すべき事項で、早期に実施できるものは前倒ししたい」とした。


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