[原子力産業新聞] 2007年6月7日 第2382号 <2面>

イノベーション25を閣議決定

政府は1日、2025年までを視野に入れた長期的戦略指針「イノベーション25〜未来をつくる、無限の可能性への挑戦」を閣議決定した。安倍内閣の目玉政策の1つで、高市早苗・内閣府特命担当大臣のもと、「イノベーション25戦略会議」(座長=黒川清・内閣特別顧問)で検討を進めてきた。

イノベーションが拓く25年の日本の姿として、「生涯健康な社会」「安全・安心な社会」「多様な人生を送れる社会」「世界的課題解決に貢献する社会」「世界に開かれた社会」の5つの社会像を具体的に描き、それぞれ中長期に取り組むべき社会システム改革戦略を打ち出した。

その中で、「世界的課題解決に貢献する社会」では、「実効性ある温暖化対策の国際的取組の推進」を第1に掲げ、革新的技術の開発として、ゼロ・エミッション石炭火力、高温ガス炉、中小型原子炉、超高効率省エネルギー技術などを上げている。

また、第3期科学技術基本計画の分野別推進戦略に沿った「技術革新戦略ロードマップ」も策定。第3期計画で、特に集中投資する「戦略重点科学技術」にあげられた、「次世代軽水炉の実用化技術」「高レベル放射性廃棄物等の地層処分技術」「FBRサイクル技術」「ITER計画」はこのロードマップに掲げられ、重複や無駄の排除、選択と集中を徹底し、「世界的課題解決に貢献する社会」形成につなげるよう推進することとしている。


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