[原子力産業新聞] 2007年6月7日 第2382号 <3面>

フィンランド TVO 2013年の新規着工に向け 環境影響評価 計画書を策定

フィンランドのテオリスーデン・ボイマ社(TVO)は5月31日、新規原子力発電所の増設に関する環境影響評価(EIA)計画書を策定し、貿易産業省に提出した。同国6基目となる新規原子力発電所は、2013年の着工を目指している。

オルキルオト原子力発電所(BWR×2基)を所有・運転するTVOは、現在オルキルオト3号機(EPR、170万kW)を建設中だが、EIA計画書では同4号機の増設を想定。出力100〜180万kW級の、PWRもしくはBWRを採用する。ただし、EIAでは「4号機を建設しない」というオプションも検討される。

TVOのスケジュールでは、来年2月にEIA報告書をとりまとめ、来夏には公聴会などすべてのEIA関連手続きを完了。EIAの結果、4号機の増設を実施することになった場合、2013年頃の着工、2018年頃の運開を目指すとしている。

EIAにあたってTVOは、コミュニケーション活動を重視する方針で、政府、規制当局、地方自治体からなる外部評価グループの設置や、少人数の対話集会の開催、適切な情報公開の実施などを掲げている。

オルキルオト3号機は2010〜2011年に運開を予定しているが、フィンランドでは今後10年内にさらなる発電設備容量の増強が必要と考えられている。

フィンランド・エネルギー産業連盟の統計によると、同国の2006年の電力消費量は899億9,100万kWhで、前年比6.5%増。うち12.7%は電力輸入(ネット値)でまかなっている。

年間電力消費量は2001年の800億kWh、1985年の500億kWhから大きく伸びており、今後6〜8年内に1,000億kWhを超えると予測されている。


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