[原子力産業新聞] 2007年6月14日 第2383号 <1面>

サミット 気候変動問題が焦点に 来年、日本の役割が重要 エネ安全保障ともリンク

第33回目を迎えた主要国首脳会議(G8サミット)が、ドイツ北部、バルト海を望むハイリゲンダムで、7日のG8首脳会議、8日の招待国(ブラジル、中国、インド、メキシコ、南アフリカ)との対話などを行った。「世界経済における成長と責任」と題するサミット首脳宣言、議長総括、「不拡散に関するハイリゲンダム声明」、「G8議長国ドイツとブラジル、中国、インド、メキシコ、南アフリカの首脳との共同声明」などを取りまとめ8日閉幕した。世界経済の分野で気候変動問題が主要テーマの1つとなり、原子力を含むエネルギー供給と地球環境問題については、来年7月に日本で開かれる洞爺湖サミットでの最大のテーマとして引き継がれた。

サミット首脳宣言では全31ページ(日本文)のうち「気候変動とエネルギー効率およびエネルギー安全保障――世界にとっての挑戦と機会」に13ページと4割以上をさいて広範に記述している。

発電については、「今後25年にわたり、化石燃料は世界において最も有力なエネルギー源であり続ける」としながらも、エネルギー多様化の重要性を強調し、特に原子力について期待をにじませている。

宣言では、「原子力エネルギーの開発は、有害な大気汚染を削減し、気候変動の挑戦に取り組むのと同時に、世界のエネルギー安全保障に資すると信じる」と述べている。

米国が主導している国際原子力パートナーシップ(GNEP)や、域内濃縮センターについてのロシア提案、核燃料供給保証に関する6か国提案、IAEA核燃料供給登録システムについての日本イニシアティブなど、現在継続中の議論、革新的原子炉および燃料サイクルに関する国際プロジェクト(INPRO)の作業、第4世代原子力システムに関する国際フォーラム(GIF)下での研究など、国家的および国際的なイニシアティブに留意する、としている。

原子力利用では、@安全AセキュリティB核不拡散――の3つが最重要であることを再確認し、86年のチェルノブイリ事故についても、原子力安全基金などのプログラムを通じて、破損した原子炉の現場を安全な状態に転換する共同の努力を行うことも再確認した。


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