[原子力産業新聞] 2007年6月14日 第2383号 <2面>

国会で改正最終処分関連法を審議 質疑は処分地確保策に集中

国会は既報のとおり、先月から今月にかけて「特定放射性廃棄物の最終処分に関する法律等の一部を改正する法律案」を審議し、今月6日の参議院本会議で可決、同法案が成立した。民主党も法案には当初から賛成のため、両院の経済産業委員会での審議は、「いかに処分場の立地を進めるか」という点に集中、様々な意見や提案が出された。

衆議院の経済産業委員会で自民党は、土井真樹議員が、東洋町長選挙で反対派が事実ではない内容のビラを配布し町民が冷静な判断が出来なかったと指摘するとともに、現行の公募制度では手を挙げる自治体は少なく、この制度を見直す考えはないかと質した。甘利経産相は公募、申入れ方式ともに地元の理解が必要という点では同様、との認識を示した。

民主党は9名が質疑した。近藤洋介議員は、法人が極めて長期の事業を実施することは困難であり、国による事業が必要でないかとするとともに、当面の交付金だけでなく、事業全体でどの程度の交付金になるかの見通しを示すべきとした。細野豪志議員は、バックエンドのアジア協力が必要とし、ユーラトムに対抗する“アジアトム”の設立を提起。北神圭朗議員は東洋町での国やNUMOの理解活動や反対派のプロパガンダ活動を質すとともに、廃棄物小委員会の議論に公募方式の見直しも含めることを求めた。

鷲尾英一郎議員は廃棄物規制の一元化を求めるとともに、FBR開発への重点的な予算投入を要請。田名部匡代議員は最終処分場選定の停滞が青森県民の不安につながっているとし、対話活動の強化などを要請した。

吉田泉議員はフランスで検討されている埋め戻さない方式、地層処分に適する地域をある程度絞った上での公募などの検討を求めた。大畠章宏議員は事実と異なる情報が選挙結果を左右するのは重大な問題とするとともに、最終処分事業が体感できるような施設を設置した理解活動を提案。こうした施設を全国の知事に見てもらうことが必要とし、処分技術に関する十分な予算確保も要請した。三谷光男議員は公募方式の法律上の位置付けなどを質し(法律上に定めはない)、来年度以降のFBR関係予算の増額も要請。後藤斎議員は施行から10年後(2010年)の処分法の見直しに向けた検討を求めた。

公明党は赤羽一嘉議員が質疑し、高知県知事の発言が東洋町民の判断材料になったとした上で、知事の理解が得られなければ現在のスキームは成立せず、全国知事会の理解が必要と指摘、併せて国有地活用も検討すべきではないかと提起した。

共産党は塩川鉄也議員が質疑し、県や周辺市町村が反対するなかで東洋町の申請を受理したのは問題とし、東洋町沖に活断層があるとも指摘。同議員は採決に先立ち、最終処分は安全性にも問題があるなどとして反対討論を行った。

参議院の経済産業委員会(=写真)で、自民党は加納時男議員が質疑し、東洋町の町長選挙において、反対派が高レベル放射性廃棄物について、「高温高圧で爆発の可能性がある」、「地球歴史上最大規模の核暴走事故が起きる」など事実無根のビラを配布、これを信じて投票した人がいるのであれば問題とした。また処分場の立地では国が前面に出るとともに、オルキルオトなど海外の事例も参考にするよう求めた。

民主党は渡辺秀央議員と藤末健三議員が質疑、渡辺議員は処分地確保は国が前面に出る時期で内閣の問題であり、政治の問題と強調した。


Copyright (C) 2007 JAPAN ATOMIC INDUSTRIAL FORUM, INC. All rights Reserved.