[原子力産業新聞] 2007年6月14日 第2383号 <2面>

もんじゅ検討会 保安院が説明 燃料変更の審査進む

原子力安全・保安院は5日の総合資源エネルギー調査会もんじゅ安全性確認検討会に、燃料に係わる設置変更許可申請に対する安全審査の状況を報告した。

この変更許可申請は昨年10月の提出。もんじゅは長期停止により、装荷燃料中のプルトニウム241がアメリシウム241に自然崩壊、性能試験には、本格運転に備えて保管している取替燃料や新たに製造する燃料も混在して装荷する必要がある。

このため安全審査は、事故を想定した場合の周辺への影響とともに、@長期保管に伴い装荷燃料の健全性が損なわれていないかAアメリシウム241の増加により燃料の溶融点への影響はないかB3種類の燃料が混在しても炉心の安全性は確保できるか――などがポイントになっている。

原子力機構は長期保管に伴う燃料要素内圧上昇の影響、燃料被覆管のナトリウム腐食量などのデータを提出しているが、保安院では大学や研究機関の専門家の意見を聴取しながら、このデータの妥当性などを確認していると説明した。

アメリシウム(含有率3%程度)では燃料の温度制限値を従来と同じ2,650℃と評価している点、燃料混在では出力分布の変化は少ないと評価している点などに関し、専門家の意見を聴取している。

一方、原子力機構は今会合で現状と今後の取組みについて、改造工事に対する系統としての機能・性能を確認する工事確認試験は今年8月までに終了予定、新耐震設計指針に対応する耐震安全性の評価やアクシデント・マネジメントは今年12月までに報告予定、と説明した。


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