[原子力産業新聞] 2007年6月14日 第2383号 <3面>

フィンランド 新規計画が続々 新規建設めざしコンソーシアム結成

フィンランドで、原子力発電所の新規建設を計画するコンソーシアム「フェンノボイマ」が結成された。2016〜2018年の運開をめざし、準備作業に着手するという。

6日の発表によると、コンソーシアムを構成する5社は、フィンランドのステンレス大手・オウトクンプ、公営地方電力ラウマ・エナジー、公営地方電力カッテルノの3社と、独電力会社Eオンとスウェーデンの銅精錬会社ボリデンの各フィンランド子会社。

計画では、フィンランド国内で100〜180万kW級の原子炉1基を建設する。すでに候補サイトは数地点がリストアップされており、コンソーシアムは数週間以内にサイトを選定し、Eオンの持つノウハウを活用して環境影響評価を実施する考えだ。

新規原子力発電所による発電電力は、@産業界A地方電力BEオン――で3等分される。ただしフェンノボイマによると、コンソーシアムを構成する5社以外の需要家にも電力を供給する用意があり、「長期契約による電力購入を望む数社と協議中」だという。

ステンレスの製造において、電力価格はコストを左右する要因である。オウトクンプのトルニオ工場は世界最大の総合ステンレス工場で、コスト競争力が高いが、同社はさらに低価格の電力供給体制を確立することで、同工場の地位を確固たるものにしようとねらっている。

オウトクンプは同工場の年間電力消費量210億kWhのうち、「新設の原子力発電所から年間120億kWhの電力を調達する」(J.ランタネンCEO)考えだ。


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