[原子力産業新聞] 2007年6月14日 第2383号 <4面>

原子力機構 「常陽」に米学会賞プレートが輝く 30年の実績評価、「ふげん」に続き

日本原子力研究開発機構の高速実験炉「常陽」が6日、初臨界以降30年にわたるFBR開発への貢献で、米国原子力学会(ANS)より「ランドマーク賞」認定プレートを授与された。「常陽」の立地する大洗町の文化センターで、H.マクファーレン・ANS会長より認定プレートが岡ア俊雄・原子力機構理事長に手渡された(=写真)。国内での同賞受賞は、「ふげん」に続き2件目。

今回の栄誉に対し、近藤駿介・原子力委員長は、「常陽」による高速中性子照射環境の提供のもと、FBR燃料・材料や核融合炉用材料の研究開発が「大過なく着実に行われてきた」と評価するとともに、立地自治体・住民らのこれまでの支援に感謝の言葉を述べた。

「常陽」は77年4月のMk―T炉心(初期の熱出力50MW)での臨界から、Mk―U炉心(100MW)、Mk―V炉心(140MW)と2度の改造を経て、高速中性子を利用した燃料・材料の照射試験で多くの成果を挙げてきた。発電炉ではないため蒸気発生器やタービンはない。この4月に臨界30年を迎え、今後も稼働するが、発電炉と同様に高経年化対策・評価も行われている。


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