[原子力産業新聞] 2007年6月21日 第2384号 <3面>

2007年版ブラウン・ブックがリリース OECD/NEA 原子力利用は拡大傾向に

経済協力開発機構/原子力機関(OECD/NEA)は14日、『原子力エネルギー・データ2007』(通称ブラウン・ブック)を発表した。

それによると、2006年のOECD加盟国全体の原子力発電電力量は2兆2,780億kWh(前年比1.8%増)で、総発電電力量9兆8,670億kWh(前年比0.5%増)に占める原子力シェアは23.1%(前年比0.3ポイント増)だった。

ブラウン・ブックはNEAが、加盟28か国を対象としたアンケート調査に基づき、統計データをとりまとめたもので、毎年刊行されている。OECD加盟国における2006年の総発電電力量、原子力発電電力量、総発電設備容量、原子力発電設備容量、燃料サイクル諸量の実績値と、2030年までの将来予測を掲載している。

ブラウン・ブックによると、今年1月1日現在、加盟国のうち17か国で346基の原子力発電所が運転中だが、2011年までに10基が閉鎖される。その一方で10基(韓国4基、日本3基、スロバキア2基、フィンランド1基)・850万kWが建設中で、15基・1,890万kWが計画中だ。

また、OECD加盟国の天然ウラン生産についてNEAは、「供給が需要に追いついていない状況が続いており、加盟国外からの輸入等に頼らざるをえない」と指摘。

その一方で濃縮能力については、「フランスで2施設、米国で1施設が着工しており、濃縮能力は着実に拡大する」との予測を示している。


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