[原子力産業新聞] 2007年6月28日 第2385号 <3面>

米大統領 ブラウンズフェリー訪問 原子力新設を呼びかけ

ブラウンズフェリー原子力発電所を訪問したG.ブッシュ大統領は21日、「2015年から年間3基以上のペースで原子力発電所を建設する必要がある」との考えを示し、「米国は再び原子力発電所を建設する時代になった」と強調した。

大統領は米国において、原子力が総発電電力量の2割を供給し、年間7億トンのCOを削減していることに触れ、「原子力は地球温暖化対策の唯一の解決策というわけではないが、地球温暖化問題は原子力なしには解決できない」と指摘。また原子力発電の安全性がきわめて高く、発電コストが低い上に安定していることなどから、米国の将来のエネルギー戦略において原子力発電は重要な役割を果たすとした。

そして、政府が2002年に発表した「原子力発電2010」イニシアチブをきっかけに、原子力規制委員会(NRC)の許認可手続きが簡素化され、電力会社が多くの新規建設プロジェクトを立ち上げるようになったとした上で、今後30基分の建設・運転一体認可(COL)がNRCへ申請されるとの見通しを示した。

もっとも、COLは必ずしも実際の建設に結びつくわけではないため、大統領は2010年までに新規原子力発電所の建設を開始するよう、あらためて原子力産業界に呼びかけた。

大統領の今回の訪問には、エネルギー省(DOE)のS.ボドマン長官やNRCのD.クライン委員長が同行した。


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