[原子力産業新聞] 2007年7月5日 第2386号 <3面>

米エクセロン COL対象サイトを発表 テキサス州の2地点を選定

米国最大の原子力発電事業者であるエクセロン社は6月28日、建設・運転一体認可(COL)申請対象候補サイトを発表した。候補サイトはテキサス州の2地点で、第1候補がマタゴルダ郡、第2候補がビクトリア郡。同社がCOL申請対象のサイトを具体的に発表するのは、今回が初。

具体的な炉型は未定だが、基数は1基と想定されている。2008年11月をメドに、米原子力規制委員会(NRC)へCOLを申請する方針だ。

第1候補地点に選定されたマタゴルダ郡のN.マクドナルド判事は、同郡内にサウステキサス・プロジェクト原子力発電所が立地していることから、同郡と原子力発電所との協力関係は長いと指摘し、「新規原子力発電所は莫大な雇用と税収をもたらす」と歓迎している。

一方、ビクトリア郡ビクトリア市のW.アームストロング市長も、ビクトリア郡が候補サイトに挙げられたことを歓迎。「エクセロン社をコミュニティーに迎えられることは幸運だ」と、強い期待を表明している。

テキサス州では電力需要の伸びが著しく、テキサス電力信頼度協議会(ERCOT)は「2030年までに電力需要が48%増加する。2013年までには州内の電力供給の安定性を維持できないレベルになる」と予測している。

エクセロン・ニュークリア社のT.オニール副社長は、「テキサス州では新たに2,400万kWの発電設備が必要となる」と指摘。安全かつクリーンな原子力発電は、エネルギー自立を目指すテキサス州の電源ミックスの中で重要な役割を果たす、と新設に向けて強い意欲を示した。

ただし、オニール副社長は、エクセロン社としては実際に原子力発電所を新規建設する決定を下したわけではない、と強調。バックエンド問題、原子力発電所の新設に関するPA問題などの解消に加え、プロジェクト・コストの回収が認められるまでは建設決定を下すことはない、と説明している。

なお、エクセロン社は今年3月に既存のクリントン・サイト(イリノイ州)を対象とした事前サイト許可(ESP)をNRCから発給されているが、同サイトのCOL申請については言及していない。


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