[原子力産業新聞] 2007年7月12日 第2387号 <4面>

原子力機構 住友電工 環境に優しいプラスチック開発 弾力性に富み幅広い応用が期待

日本原子力研究開発機構と住友電工ファインポリマーはこのほど、ポリ乳酸を電子線で架橋することにより、室温でも柔らかく弾力性のある透明のポリ乳酸材料の開発に成功した。

ポリ乳酸はデンプンを醗酵して得られる乳酸を原料とし、高強度で透明性などに優れるプラスチック。焼却時にダイオキシンなどの有害ガスが発生せず、微生物が分解可能な環境に優しい材料だが、室温では硬く脆く60℃で変形し元の形状に戻らないため、産業応用が難しい。このため、他のプラスチック同様に可塑剤を混ぜる手法が検討されているが、ポリ乳酸は可塑剤を混ぜた後、時間が経過すると可塑剤が外に染み出してしまうという課題があった。

今回開発した新材料はポリ乳酸に可塑剤を保持でき、80℃で1週間加熱しても殆ど染み出さないことを確認した。橋かけの助剤であるトリアリルイソシアヌレート(TAIC)と可塑剤を混練りして電子線を100kGy照射、これにより可塑剤を約20nm程度の大きさの孔に閉じ込める。可塑剤の添加量もこれまでの2倍の約60%に高めることが可能という。

軟質塩化ビニルの代替材料としてパッキン、電線被覆剤、自動車用内装材、壁紙、床材など幅広い応用を期待している。


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