[原子力産業新聞] 2007年7月19日 第2388号 <2面>

東電保安規定変更を認可 3発電所とも変更

経済産業省は9日、東京電力3原子力発電所の制御棒引き抜けに係わる保安規定変更を認可した。発電設備総点検を受けた行政処分に基づき、同社から先月22日に申請されたもので、想定外に制御棒が引き抜けた場合を異常発生時と定めるとした。

発電設備総点検で最も重い評価区分Tに該当する事案のあった国内7原子力発電所には、原子炉等規制法に基づく行政処分として、保安規定変更命令が発出され、今月末までの変更申請が求められている。制御棒引き抜けの扱いに関して、東京電力に対しては、原子炉臨界事象が起きた福島第一発電所のみに保安規定変更命令が出されているが、異常発生時の対応を統一するよう、同発電所と福島第二、柏崎刈羽発電所とも、同様の変更内容が同社より申請された。

具体的には、「挿入または引き抜き操作を行っていない制御棒が当初の管理位置から他の位置に動作したとき」「全挿入位置にある制御棒であって挿入または引き抜き操作を行っていない制御棒が全挿入位置を超えてさらに挿入される方向に動作したとき」を保安規定上の異常発生時として位置付けている。

東京電力は、今回認可された制御棒引き抜けの扱い以外の保安規定変更に関しても、今月中に変更認可申請する予定。


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