[原子力産業新聞] 2007年7月19日 第2388号 <3面>

バルト3国 新設を確認 共同建設プロジェクト

リトアニア、エストニア、ラトビアのバルト3国は6日、首脳会談を開催し、リトアニアで原子力発電所の共同建設プロジェクトを実施する方針を確認した。

これは、4日にリトアニアのV.アダムクス大統領が新規原子力発電所の建設法に署名し、同国で原子力発電所の新設が正式決定したことを受けたもの。同じくプロジェクトに参加するポーランドのJ.カチンスキ首相が会談を欠席したため、当初予定されていたプロジェクトに関する正式な覚書の調印は見送られた。同首相の欠席についてポーランドの態度を疑問視する憶測も流れているが、リトアニアのG.キルキラス首相によると「カチンスキ首相はプロジェクトの支持を表明している」という。

共同建設プロジェクトは、既存のイグナリナ原子力発電所サイトに160万kW級原子炉を2基建設するもので、出資比率は、立地国であるリトアニアが34%で、エストニア、ラトビア、ポーランドが22%ずつ。2015年の運開を目指している。

建設コストは220億リタス(64億ユーロ)と試算されている。これはリトアニアの年間予算に匹敵し、同国独立以来最大のプロジェクトとなっている。

リトアニアと欧州連合(EU)は、EU加盟の条件としてチェルノブイリ原子力発電所と同型の軽水冷却黒鉛減速炉(RBMK)であるイグナリナ1、2号機の閉鎖で合意しており、2004年末にイグナリナ1号機(RBMK1500、150万kW)を閉鎖。2号機(同)も2009年末までに閉鎖される予定である。


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