[原子力産業新聞] 2007年8月2日 第2390号 <1面>

地震総合対策に全力 耐震設計など3小委で 班目委員長 調査対策委が初会合

総合資源エネルギー調査会原子力安全・保安部会の「中越沖地震における原子力施設に関する調査・対策委員会」(委員長=班目春樹・東京大学工学系研究科教授)の初会合が7月31日に開かれた。新潟県中越沖地震が柏崎刈羽原子力発電所に及ぼした影響について調査し、国、事業者の課題と対応を総合的に検討するのがねらい。新潟県、柏崎市、刈羽村の各自治体からも委員として参画している。

冒頭、甘利明経産相が挨拶に立ち、今回の地震で、柏崎刈羽発電所に設計想定を超える地震動が観測されたことを、「国民の原子力への安心感を揺るがす重大な問題」ととらえ、同委員会による審議が原子力の安全確保向上へとつながり、国民の安心と理解が回復するよう期待した。

今後の具体的審議は、@地震発生時の原子力事業者による自衛消防体制、情報連絡体制および地元に対する情報提供のあり方A中越沖地震から得られる知見を踏まえた耐震安全性の評価B中越沖地震発生時における原子炉の運営管理の状況と設備の健全性および今後の対応――の各課題について、「中越沖地震における原子力施設に関する自衛消防及び情報連絡・提供に関するWG」(主査=宮健三・法政大学客員教授)、「耐震・構造設計小委員会」(既設、委員長=阿部勝征・東京大学名誉教授)、「運営管理・設備健全性評価WG」(主査=関村直人・東京大学教授)で、それぞれ検討していく。

これまでの地震による被害、復旧状況、国の対応などのほか、これらに加え電力各社から提出された自衛消防体制、事故報告体制の強化対策、柏崎刈羽発電所における地震観測データについても、原子力安全・保安院より説明した。

被災地からは、品田宏夫・刈羽村長が「臨海学校キャンセルも相次ぎ、正に馬鹿馬鹿しい騒ぎ。原子力に対する正しい判断がいかに浸透していないかしっかり認識を」と、風評被害の実態を訴え、迅速かつ的確な情報提供を強く求めた。若山正樹・柏崎市副市長は、敷地周辺活断層の諸説に関して、「地元でも長く論争。学者間でも意見が分かれ、信用できない状態に陥っている」と述べ、徹底的な調査を要請した。

斎田英司・新潟県危機管理監からは県知事のメッセージとして、風評被害に対する原子力損害賠償法の適用、耐震設計審査指針の抜本的見直しに加え、放射能漏れが想定されない状態では適用されない原子力災害対策特別措置法を、大規模自然災害に伴う原子力施設の被災時にも、国が原子力災害と同様な体制を構築できるよう同法改正の必要性を訴えた。


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