[原子力産業新聞] 2007年8月2日 第2390号 <1面>

東電が地震対応で 今夏の需給見通し 平年気温なら供給確保

7月の中越沖地震の影響で柏崎刈羽原子力発電所(7基・計821万2,000kW、今夏の供給計画では約700万kW程度)が全面停止になっている東京電力では7月30日、改めて今夏の電力需給見通しを発表した。

今夏の気温は平年並みの暑さと想定し、最大電力(電力需要ピーク)は6,110万kW(8月)と予想。供給力確保に努めた結果、供給力は6,245万kWで、予備力は135万kW、供給予備率2.2%をかろうじて確保した。

8月の供給面では、発電所の増出力運転などで208万kW、他電力会社からの受電で166万kW、自家発電からの購入70万kWの計444万kWを供給力に織り込んでいる。

需要面での調整では、工場などの大口電力使用を控えてもらう計画調整契約分として130万kWを織り込み、さらに随時調整契約分として110万kWを推定している。

緊急・暫定措置として、河川法違反で水利権許可が取り消されている塩原水力発電所(栃木県、揚水式90万kW)の使用を9月7日まで緊急時に限って当局から使用許可を得て、計画に加えた。

今後予想がはずれ、猛暑となった場合、同社では最大電力が過去最大並みの6,400万kW程度に達すると予想しており、「供給力が不足するおそれがある」として、@さらなる追加対策の検討A安定供給の努力B国民への節電協力依頼――などを行っていく方針だ。


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