[原子力産業新聞] 2007年8月2日 第2390号 <2面>

原産協会 原子力委・国際問題懇で説明 「日印協力調査会」設置を準備

原子力委員会の国際問題懇談会は7月31日、第5回会合を開催、世界原子力発電事業者協会(WANO)、日本原子力産業協会および、山名元・京都大学教授からインドとの交流状況などの報告を受けた。この中で原産協会は、産業界の日印協力のための調査会の設置、日印原産協会の協力などの検討を進めていることを明らかにした。同懇談会は今回でインドに関する議論を終え、近く報告書「インドをめぐる国際的な原子力協力の動きに係わる現状」をまとめる。

原産協会の石塚昶雄・常務理事は、原子力産業界のインドに対する基本的スタンスが慎重なこと、昨年あたりからインドの原子力発電公社、原子力委員会、原産会議などから日本の産業協力に期待が示されていることなどを説明。日本政府は米印協定のまとまり方やNSG(原子力供給国グループ)承認など国際社会での整理を前提に、日印協力の在り方を判断すると理解しており、産業界も協力の進め方を検討しておきたいとした。

このため現在、協力の基本スタンス、協力プロセス、国への要望事項などを検討する日印協力調査会の設置の準備を進めるとともに、日印原産協会の協力に関する覚書締結を検討していることも明らかにした。同覚書では定期的な情報交換、安全性確保に関するワークショップ、訓練生の受入れなどを検討する。

WANOの庄司卓・東京センター事務局長は、日本からインド、パキスタンの発電所の情報にアクセスできるが、両国から日本の情報にアクセスできない点に関し、両国から改善を求められていることなどを紹介した。

京都大学の山名元・教授はインドの原子力関連技術の現状を説明するとともに、民生開発と軍事開発の間の技術汚染の可能性は慎重な検討が必要、原型炉PFBRの建設などFBR開発が重要な時期を迎えており、この情報は我が国にとっても有益などと指摘した。


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