[原子力産業新聞] 2007年8月2日 第2390号 <3面>

フランス 2014年運開へ 照射炉の建設を本格化

世界の研究開発炉が減少傾向にある中、フランス原子力庁(CEA)は今夏から、「ジュール・ホロビッツ炉(JHR)」(熱出力10万kW)の建設を仏南東部のカダラッシュで本格化させる。総工費は5億ユーロ(約840億円)。

「ヨーロッパの照射炉」という位置付けで、材料と燃料の研究、医学用放射性物質の生産などを行い、同時に20の研究を並行して行うことができるようになる。

主契約者はテクニカ・アトミカ社で、すでに整地作業は始まっており、まもなく規制当局からおりる予定の建設許可を待って、建設作業を本格化させる。来年4月からコンクリート打設を開始し、2014年の運転開始を予定している。

CEAでは、同炉の建設・研究を官民協力で行い、広く国際社会にも開放し、各自の研究計画を進められるように運営する方針だ。

立地サイトのカダラッシュは、フランス原子力開発の一大拠点の1つで、軽水炉だけでなく高速増殖炉や核融合などの研究開発も実施してきた場所だ。廃止された高速増殖実験炉ラプソディーもここにあり、これからは国際熱核融合実験炉ITERが建設されることにもなっている。


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