[原子力産業新聞] 2007年8月23日 第2392号 <2面>

保安院 保守管理検討会で 保全プログラムの概要提示

総合資源エネルギー調査会原子力安全・保安部会の原子炉安全小委員会保守管理検討会(主査=班目春樹・東大院教授)は9日、第5回会合を開催、保全プログラムに基づく保安活動に対する要求事項案を審議した。

来年度から導入する新しい検査制度は、「保全プログラムに基づく保安活動に対する検査制度」になるが、今会合で保安院が提示した要求事項案は、保全プログラムに盛込むべき項目とその内容などを示したもの。保守管理技術WGの検討を踏まえており、省令改正案や保全プログラムの審査基準などもこれを基に作成することになる。

要求事項案によると保全プログラムは、@保全対象範囲A機器毎の保全重要度B保全活動管理指標および監視計画C保全計画D点検・補修等の結果の確認・評価E点検・補修等の不適合管理および是正処置F保全の有効性評価−−などで構成。系統の保全重要度は重要度分類指針および確率論的安全評価(PSA)から得られるリスク情報などで定めるとしている。

保全プログラムは、原子炉の保守管理と運転管理を含めた保安全体に関わるルールであり保安規定(原子炉等規制法)に位置付けられる基本的事項、および保守管理の具体的なルールであり保安規程(電気事業法)に位置付けられる保全計画に分けられる。基本的事項は原子炉停止間隔、保守管理に用いる管理指標などを定め保安検査で遵守状況を確認、保全計画は定期安全管理審査で確認する。

保全計画では点検計画や補修・取替及び改造計画を策定するが、これらは重要度を勘案し、運転実績や事故・故障事例、使用環境なども考慮して決定。また点検計画は機器単位毎に法令要求や故障の検知性などを勘案し、時間基準保全か状態基準保全かを選定することとしている。

原子炉停止間隔に直接関係する時間基準保全は、関係法令などで時間基準保全が要求されている場合、消耗品の取替を定期的に実施する場合、運転経験などから定期的な保全が妥当と判断する場合など。


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