[原子力産業新聞] 2007年8月30日 第2393号 <2面>

経産省・概算要求 原子力は今年度比12%増 次世代軽水炉、廃棄物、耐震安全など

経済産業省は24日、来年度予算の概算要求を発表した。原子力関係は次世代軽水炉やFBRサイクルの技術開発、耐震安全性・防災対策や放射性廃棄物対策の強化などを柱に、今年度予算比12%増の1,989億円を要求する。

資源エネルギー庁の原子力関係では、原子力の利用高度化に向けた技術開発の推進が同70%増の256億円、放射性廃棄物対策の強化が同22%増の67億円、各種交付金・補助金を中心とする原子力発電施設等と地域との共生の実現が同7%増の1,381億円。原子力安全・保安院の原子力関係は同4%増の341億円。

技術開発の推進では昨年度と今年度でフィージビリティー・スタディーを行ってきた次世代軽水炉の本格研究に向け、新規に15億円を要求。文部科学省との共同によるFBR実証炉の開発ではエネ庁として同約2倍の65億円を計上、各種核燃料サイクル関連の技術開発などにも引続き注力する。また海外ウラン探鉱の支援で同約4倍の40億円を要求するほか、大学等の人材育成、アジアをはじめとする原子力導入を検討する国への支援なども充実する。

放射性廃棄物対策関連では、処分事業の超長期の安全性について理解を深めるためのバーチャル処分場の構築、実体験を通じて理解できる実規模の実証設備整備のための準備などの新規事業を要求する。

原子力安全・保安院は新潟県中越沖地震を踏まえ、耐震安全性の評価・確認作業の前倒し及びその評価・確認方法の強化など防災対策に同50%増の121億円を計上。また、国内材料試験炉を活用し軽水炉燃料・材料の健全性調査を充実する技術基盤強化に同2.5倍の18億円、放射性廃棄物処分に関する調査も同36%増の18億円を要求する。


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