[原子力産業新聞] 2007年8月30日 第2393号 <3面>

原子力発電の導入計画 ヨルダン国王が早期策定指示

ヨルダン国王のアブドッラー2世は26日、原子力発電の導入計画を早期に策定するよう政府に要請した。非産油国である同国を、他国からの石油・ガス輸入依存体質から脱却させることがねらいだ。

国王は、エネルギー問題がヨルダンの主要課題であるとの認識を示し、原子力発電導入計画を検討中の政府委員会に対し、長期的な視点から徹底的に取り組むよう指示。ヨルダンの原子力発電開発計画を出来るだけ早期に策定し、エネルギーの輸入依存度を早急に低減させる必要性を強調した。

ヨルダンはエネルギー資源に恵まれず、エネルギー需要の95%を輸入に依存する状況にある。また、砂漠化が進行しており、年間5億立方メートルもの水資源が失われている。

同国は2015年にも初号機を建設する意向を持っており、議会は今年4月、発電と海水淡水化を目的とした原子力利用を認める法律を制定した。K.トゥーカン教育・科学研究相は、「2030年までに総発電電力量の30%を原子力発電でまかないたい」としている。


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