[原子力産業新聞] 2007年9月6日 第2394号 <1面>

文科省 FBR開発に注力 8.7%増の2,895億円要求 ITER核融合開発も本格スタート

文部科学省は8月29日、来年度予算概算要求を行い、主要事項・要求額を発表した。原子力関係の要求額は、今年度予算比8.7%増の2,895億円で、そのうち、一般会計が同15.4%増の1,367億円、エネルギー対策特別会計が同3.3%増の1,528億円。FBR開発とその燃料サイクルなどに注力する。

国家基幹技術に位置付けられている高速増殖炉(FBR)サイクル技術には、今年度比11.5%増の331億円を要求、そのうちFBR実用化研究開発は同35億円増の90億円で、同技術全体の増額分に匹敵する集中投資となった。この他、「もんじゅ」の開発実証関係に103億円、FBRサイクル推進全体では419億円の要求額となっている。

核融合関係ではITER計画推進に122億円、今年度比約2.3倍の大幅増額が図られた。特に、「幅広いアプローチ」関連は、各プロジェクトの推進に向け、増加額の大半に相当する67億円の獲得を目指す。

その他の主な予算要求事項・金額は、大強度陽子加速器計画推進に同15.8%減の262億円、原子力人材育成プログラムに同62%増の2.4億円、原子力試験研究制度改革として新規計上を目指す「原子力基盤戦略研究イニシアティブ」に10億円などとなっている。

同省の概算要求では、「原子力分野」には入らないが、国家基幹技術のX線自由電子レーザー開発利用に、来年度の装置本体整備に向け、今年度比約2.4倍の178億円を要求する。また、能登半島地震、新潟県中越沖地震を受け、日本海東縁部の「ひずみ集中帯」重点的観測・研究に13億円を新規に盛り込むなど、地震・防災分野でも大幅な増額要求となっている。


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