[原子力産業新聞] 2007年9月6日 第2394号 <3面>

加オンタリオ州の長期計画 既存炉のリプレースを盛り込み

オンタリオ州電力庁(OPA)は8月29日、今後20年に渡る長期電力供給計画である「包括的電力供給計画」(IPSP)を策定し、オンタリオ州エネルギー委員会(OEB)に提出した。原子力発電については、既存炉の運転期間延長やリプレース等が盛り込まれている。今後OEBが、IPSPの内容を評価する。なおIPSPは、電力需要や新技術の進展に合わせて、3年毎に見直されることになっている。

IPSPは石炭火力発電所を2014年に全廃することを掲げ、省エネによる電力需要自体の抑制や、石炭火力の天然ガス火力や再生可能エネルギーによる代替を柱とする一方で、ベースロード電源としての原子力発電の果たす役割を重要視。2025年頃の総発電電力量に占める原子力シェアの目標値を47%と定め、既存の原子力発電所にバックフィット作業を施して運転期間を延長することや、新規原子力発電所にリプレースすることで原子力発電設備容量1,400万kWを達成するとしている。

そのために、運転期間延長にあたっては、@2005年10月から開始されているブルースA原子力発電所のバックフィット作業が、2012年に無事完了することAピッカリングB原子力発電所のバックフィットに関しては、所有・運転するオンタリオ・パワー・ジェネレーション社(OPG)が、2008年にバックフィットの実施を決定し、2013〜2016年に作業を完了することB必要な人材や資機材が確保できることC州民やサイト周辺自治体が運転期間の延長を支持することD原子力発電所が好調な運転実績を維持することECANDU炉の国内外でのバックフィット実績が反映されること――等が重要と指摘。

既存炉のリプレースにあたっては、@州民やサイト周辺自治体が新規建設を支持することA連邦政府の規制当局がスケジュール通りに許認可手続きを実施することB新規炉の炉型選定などで経済性を考慮することC新規炉の資金手当てから設計、建設、運転に至るまで、十分なインフラとリソースが確保されることD新規炉が好調な運転実績を維持すること――等がカギとなるとしている。


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