[原子力産業新聞] 2007年10月11日 第2399号 <2面>

保守管理検討会 新検査制度の効果を審議 「いじり壊し」の低減可能

総合資源エネルギー調査会原子力安全・保安部会の原子炉安全小委員会保守管理検討会(主査=班目春樹・東大院教授)は9月25日、第7回会合を開催、新検査制度の導入により期待できる保全活動の充実に関して検討した。

原子力安全・保安院は現在、新検査制度の検討状況を地元自治体などに随時説明しているが、自治体からは「新検査制度で安全がどのように向上するか、十分に検討すべき」との要請が出ている。今会合の検討はこうした要請も踏まえたもので、保安院と電気事業連合会がそれぞれの立場で考え方を示した。

保安院は新検査制度により保全活動に「信頼性重視保全」を本格的に導入、その信頼性の一層の向上を図るとし、点検間隔の最適化でいわゆる「いじり壊し」の低減が可能と説明。また定期的な分解点検に加え、@保全状態管理のために採取する保全データの拡充A保全活動の有効性評価の充実B保全方式の見直しによる保全の最適化――などが追加導入され、保守不良やヒューマンエラーの抑制、さらには経年劣化管理も徹底できるとした。

一方、電事連は今後、運転中の機器の状態をきめ細かく監視、データ採取することで設備の信頼性を向上できる状態保全の適用範囲を拡大し、時間基準保全の間隔を適正化(信頼性重視保全)したいと説明。

併せて国内化学プラントで信頼性重視保全を導入した成果を示すとともに、振動診断、赤外線サーモグラフィー診断など状態監視の実際の取組み状況、これら診断の民間技術指針の制定スケジュール、適切な分解点検間隔の見直し事例などについても説明した。


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