[原子力産業新聞] 2007年10月11日 第2399号 <4面>

「原子力安全工学科」を新設 武蔵工大 来年度から定員30名

日本の原子力開発の黎明期に研究炉などを建設し、私学として原子力研究の一端を担ってきた武蔵工業大学は、来年度から「原子力安全工学科」を新設する。

原子力発電が世界的に見直されている中で、人材確保が大きな課題になっており、新学科の定員は30名で、@原子力工学コースA放射線工学コースB原子力政策コース――に分かれ、実習にも力を入れる。大学院もエネルギー量子工学専攻など7専攻を有し、修士課程(博士前期課程)への進学も可能。

キャンパスは主に工学部のある世田谷キャンパスとなる。

今後、29日から11月2日まで、公募制による推薦入試の願書を受付ける。

武蔵工大では1960年に川崎市王禅寺に原子力研究所を開設し、研究用原子炉を導入し63年に初臨界を達成し、その後、日本全国の研究者・技術者に門戸を開放してきた。がんの治療研究、中性子放射化分析、原子炉の安全性向上に関わる研究などを通し、研究者・技術者の人材育成に寄与してきた。同研究炉は89年12月に炉心タンクから冷却水漏れが見つかり、原子炉を停止。その後03年5月に原子炉の廃止を決め、06年秋には炉内の使用済み燃料も米国に返還し終えた。

問合せは同大企画広報室(電話03―3703―3111)まで。


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