[原子力産業新聞] 2007年10月11日 第2399号 <4面>

佐賀県 粒子線がん治療施設設置へ 九州で初、古川知事が意欲

佐賀県は九州初となる粒子線がん治療施設の設置に向け、このほど本格的な検討を開始した。これまで基礎調査などを実施してきたが、先月には専門家会議での審議を開始。今後、予算面の検討も進める方針で、古川康知事は「来年度どうするかについて考えていきたい」とした。

佐賀県は今年5月にプロジェクトチームを立ち上げ、7月まで全国の先行施設(稼働中6施設、整備中3施設、計画段階3団体)を調査。8月からニーズ調査、事業手法などの基礎調査を進めるとともに、同月、九州の11大学が参加した大学長・医学部長・病院長会議を開催した。

先月11日に初会合を開催した「粒子線がん治療検討専門家会議」はこれら大学との詳細な連携・協力を検討するもので、来月には提言を示す予定。併せて事業シミュレーションなど施設誘致の可能性調査も進めており、今月中に報告をまとめる。

古川知事は先月の定例会見で、県の取組みを説明するとともに、「PET―CTによる診断機能と粒子線治療装置を併せ持つ治療センターを作り、地域を挙げてがんを退治していくことになる」とし、来年度に同施設設置に向けた予算を確保する意向を示した。


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