[原子力産業新聞] 2007年10月18日 第2400号 <2面>

原子力の大幅拡大を 関係有志 福田首相に提言

原子力関係のOBや現役有志84名が連名で「『美しい星50』を実現するための長期的エネルギー安全保障戦略のあり方」と題する「エネルギー自立戦略50構想」を取りまとめ、福田康夫首相宛に12日提出した。提言者は、金子熊夫・元外務省課長、竹内哲夫・元東京電力副社長、林勉氏(元日立製作所)らのグループ会員。町村信孝官房長官、甘利明経産相をはじめ関係各方面にも広く送付する予定だ。

二酸化炭素など温室効果ガス排出量を2050年までに半減するという前内閣の「美しい星50」構想を実現するためには、原子力発電の大幅拡大をもってしなければ不可能で、まず国内のエネルギー自給率を50%にまで引き上げるべきだ、と強調している。

我が国の一次エネルギー量は04年度に5億4,400万トン(石油換算)だったものを、消費削減に努め、50年度には約2割減の4億4,700万トンと見込む。石炭、石油、天然ガスの消費量を半減し、原子力、水力・地熱・新エネで自給率を50%にまで高めることによって、同時に排出炭素量を半減するという構想だ。一次エネの原子力比率は04年度の11%から34%に高まる。

構想実現のために、「総理自ら原子力の重要性を国民に対し繰返し訴えられよ」と提言。さらにエネルギー・地球温暖化対策相の任命、首相を議長とする常設の「国家エネルギー環境戦略会議」の設置を訴えている。


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