[原子力産業新聞] 2007年10月26日 第2401号 <12面>

東芝 磯子に新棟建設 原子力エンジニアリングを大幅強化へ

東芝は22日、原子力事業の中核拠点である磯子エンジニアリングセンター(横浜市)内に、最新のエンジニアリングツールを備え、免震構造も採用した新棟を建設すると発表した。来年2月着工、来年度中の竣工を予定し、投資額は100億円弱。関連会社も合わせた同事業の陣容を現在の2,000人弱から、数年後には3,000人以上にする。

同センターは軽水炉、FBR、燃料サイクルなど同社原子力事業の中核を担い、現在、本館(82年建設)と新館(91年建設)の2棟で業務。新棟の建設は17年ぶりで、世界的に高まる原子力プラントの新規需要や既設プラントの更なる有効活用などに対応する。

新棟は鉄骨造5階建、延べ床面積約2万1,400平方メートル。CADや高速超並列計算機など最新のエンジニアリングツールを配備するとともに、高度なセキュリティーネットワークの整備、コラボレーションスペースの新設により、ユーザーや機器サプライヤーとの情報連絡を強化。併せて中越沖地震規模の大規模地震にも対応可能な免震構造を採用、液状化対策工事も施すことにより、災害時でもエンジニアリングに必要なデータおよびインフラの維持活用を可能とし、ユーザーへの技術サポートを継続できる体制を構築する。

数年後には同センターは3,000人以上の体制とする計画だが、米ウェスチングハウス(WH)社のエンジニアも駐在し、PWR事業のサポート体制も一段と強化する。


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