[原子力産業新聞] 2007年10月26日 第2401号 <12面>

ふげん 原子力機構 国に報告 耐震安全性を確認

日本原子力研究開発機構は19日、新型転換炉「ふげん」の原子炉補助建屋の構造健全性評価結果を原子力安全・保安院に報告した。一部のコンクリート強度が設計基準を下回ったが、建屋として必要な耐震重要度Bクラスの耐震性能を満たしていることを確認。保安院はこれを妥当と評価、一部の強度不足の原因を調査し、2か月を目途に報告を求めた。

この強度不足は、原子力安全基盤機構の委託で進めている高経年化対策の調査研究の事前準備の中で、今年2月に明らかになった。このため原子力機構はデータの妥当性評価とともに、今年9月上旬からコンクリートコアを再度採取、構造健全性を評価していた。

評価は地下2階から地上3階の各階の壁から主要な耐震壁を12面選定し各3本、合計36本のコアを採取。この内10本の強度が設計基準強度を下回った。

同建屋は建築基準法で定められた地震動の1.5倍に耐えられる耐震性能が必要だが、原子力機構では静的水平地震力により発生する応力と許容値を比較。この結果、許容値が上回り、建屋の各階とも耐震性能を満たしていると判断した。


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