[原子力産業新聞] 2007年11月1日 第2402号 <3面>

フランス 最終処分場候補サイト 2012年末までに2地点を選定へ

フランスから放射性廃棄物管理機関(ANDRA)のM.デュピュイ理事長らが来日。東京で、フランスにおける放射性廃棄物管理の現状について講演し、2012年末までに、ビュール地下研究所(=写真)周辺から2地点を、最終処分場候補サイトとして選定する方針を明らかにした。

フランスでは昨年6月に放射性廃棄物等管理計画法が制定され、高レベル廃棄物および長寿命中レベル廃棄物を、可逆性を持たせて深地層処分することが決定された。これは処分事業を段階的に区分し、各段階において、処分場設計の変更やすでに定置された廃棄物の再取り出しが行えるよう、将来世代に選択肢を残すことを目的としている。

また、すでにビュール・サイトで粘土質岩を対象とした地下研究所の建設が、2000年より進められており、ANDRAは建設と並行して地下研究も実施している。放射性廃棄物等管理計画法では深地層処分場のスケジュールも明記されており、2015年の設置申請、2025年の操業開始を目指している。

デュピュイ理事長は、2012年末までに複数の処分場候補サイトを盛り込んだ報告書を作成し、2013年に処分場サイトを決定。2014年には処分場の設置許可申請を行いたいとした。

また、「ビュール地下研究所自体が最終処分場となることはない」としながらも、ビュール周辺には250平方キロメートルもの粘土層が広がっており、そのエリア内からビュール研究所と同じ地質環境にある2地点程度を、処分場候補サイトとして選定する意向を明らかにした。ANDRAは、選定にあたっては地元住民との対話を重視しており、科学的評価だけでなく、地元住民の意見を尊重するという。


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