[原子力産業新聞] 2007年11月22日 第2405号 <3面>

米エクセロン テキサス州に ESBWRを選定

米国最大の原子力発電事業者であるエクセロン社は12日、同社がテキサス州で計画している新規原子力発電所建設プロジェクトの採用炉型として、GE日立ニュークリア・エナジー社製のESBWR(=写真)を選定した。

ESBWRはAP1000(ウェスチングハウス社製)とともに、ニュースタート・エナジー・デベロップメント(新規建設に向けた新しい許認可の実証を目的とするコンソーシアム)とエネルギー省(DOE)が『原子力発電2010プログラム』で支援対象としている炉型だ。そのためコンソーシアムのメンバー企業であるエクセロン社は、コンソーシアムが実施する建設・運転一体認可(COL)申請作業を、テキサス州での自社プロジェクトに応用することが可能となる。

エクセロン社は今年6月、テキサス州の2地点、マタゴルダ郡、ビクトリア郡をCOL申請対象候補サイトとして発表。来年11月をメドに原子力規制委員会(NRC)へCOLを申請する考えで、最終的なサイト選定をめざし、両サイトで実地調査を開始している。並行して、両サイトおよび周辺地区を対象にPA活動も実施している。COL申請作業コストは、計2,300万ドルと試算されている。

テキサス州では、原子力発電が長期的な解決策として注目を浴びており、テキサス州のサイトを対象としたCOLは、すでにNRGエナジー社が9月に申請。TXU社も来年をメドに申請する方針を表明している。

エクセロン・ニュークリア社のT.オニール副社長(新規プラント担当)は、「テキサス州では新たに2,400万kWの発電設備が必要となる」と指摘。原子力発電は安全かつクリーンな低コスト電源であり、エネルギー自立を目指すテキサス州の電源ミックスの中で重要な役割を果たす、とテキサス州への原子力発電所新設に向けて強い意欲を示した。

ただし、オニール副社長は、エクセロン社としては実際に原子力発電所を新規建設する決定を下したわけではない、と強調。バックエンド問題、原子力発電所の新設に関するPA問題などの解消に加え、新型炉の経済性が保証されるまでは建設決定を下すことはない、との従来からの主張を繰り返している。


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