[原子力産業新聞] 2007年11月29日 第2406号 <2面>

革新技術計画会議 次世代軽水炉等に期待 温暖化防止で積極推進

「クールアース―エネルギー革新技術計画」の有識者会議(座長=吉川弘之・産総研理事長)は27日、第2回会合を開催、経済産業省が策定した同計画の骨子案を審議した。次世代軽水炉、FBRなど先進的原子力発電を重点的に取組むべき20の革新技術の1つに位置付けた。

同会議は、今年5月に安倍晋三・前首相が発表した「世界全体の温室効果ガス排出量を50年までに半減」の実現には、革新的技術が不可欠との判断のもと、その具体策検討のため今年8月に設置。洞爺湖サミットに向け計画の策定を目指す。経産省は同会議をサポートするワーキンググループ(WG)を設置しており、骨子案は同WGでの検討を踏まえたもの。骨子案では世界全体のCO排出量の約40%を占める発電・送電、同20%の産業、同20%の運輸、同15%の民生など部門毎に検討した。

発電部門では世界最高水準の安全性と経済性を有する次世代軽水炉、ウラン利用率を大幅に向上するFBR、途上国や島嶼国など中小規模の需要に対応する中小型炉の3項目を先進的原子力発電として重点技術に入れた。このほか高効率石炭・天然ガス火力発電、革新的太陽光発電、超電導送電なども挙げている。また、各部門に横断するものとして水素の製造・輸送・貯蔵技術を挙げた。


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