[原子力産業新聞] 2007年11月29日 第2406号 <3面>

インド・IAEA 保障措置協定締結へ協議

インド原子力委員会のA.カコドカール委員長は21日、ウィーンの国際原子力機関(IAEA)本部でM.エルバラダイIAEA事務局長と会談。インドとIAEAとの保障措置協定締結に向けた協議を開始することで合意した。インドは近く、事務作業チームをIAEAに派遣する。

米国とインドの両政府は今年7月、民生用原子力分野での米印原子力協力協定交渉で最終合意に達したが、インドは核拡散防止条約(NPT)に加盟していないため、米印協定の発効には保障措置協定の締結が条件となっている。

米印協定は、米国からインドへの技術移転、核燃料や原子力機器の輸出を可能とするもので、IAEAの保障措置下に置くことを条件に、インドが使用済み燃料の再処理を実施することも容認されている。

米印協定の発効にはほかにも、45か国からなる原子力供給国グループ(NSG)がガイドラインを改正し、インドを「輸出禁止対象の例外」として承認することも必要だが、NSGには中国が名を連ねており、これまで先行きが不透明だった。

しかしインドのM.シン首相は21日、シンガポールでの東アジアサミットに並行して開催された首脳会談で中国の温家宝首相と、気候変動問題やエネルギー・セキュリティ問題に対する協力強化で合意したことを明らかにし、「中国はNSGのガイドライン改正を支持する」との強い自信を示した。

なお米印協定の発効には米印両国の議会承認も必要である。


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