[原子力産業新聞] 2007年12月13日 第2408号 <3面>

誘致合戦が加速

エクセロン社がテキサス州で計画している新規原子力発電所建設プロジェクトをめぐり、建設候補サイトに挙げられた2地点が誘致合戦を繰り広げている。

エクセロン社は今年6月、建設・運転一体認可(COL)の申請対象となる候補サイトとして、マタゴルダ郡とビクトリア郡を選定。すでに両サイトで実地調査を開始し、並行してPA活動も実施している。

ビクトリア郡はこのほど、地元自治体および公社で構成した『チーム・エクセロン』を発足させ、エクセロン社に対し誘致攻勢を展開。「原子力発電所プロジェクトを、他の産業プロジェクトと同様に積極的に支援する考えで、今後、具体的な優遇策について話し合っていきたい」(D.ファウラー・ビクトリア経済開発公社社長)としている。

一方、郡内にNRGエナジー社のサウステキサス・プロジェクト原子力発電所(STP)を抱え、原子力発電所立地自治体としては一日の長があるマタゴルダ郡は、これに対抗。N.マクドナルド郡判事は、「マタゴルダ郡も、いつでも優遇策を提示する用意はできている」と指摘し、特に以下の3点により、マタゴルダ郡は優位な立場にあると強調した。

@STPが立地しているため、緊急時体制が確立している。ビクトリア郡は白紙から緊急時体制を準備することになり、マタゴルダ郡のレベルに達するには数年かかる。

ASTPと良好な関係を保っており、住民も原子力発電に好意的で、理解がある。

B内陸部であるビクトリア郡は、グアダループ川からの水供給を提示しているが、マタゴルダ郡は沿岸部であることから、メキシコ湾からの海水を無制限に利用することが出来る。

エクセロン社は、来年11月をメドに、原子力規制委員会(NRC)へCOLを申請する計画だ。先月には、採用炉型をESBWRに決定していた。


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