[原子力産業新聞] 2007年12月13日 第2408号 <3面>

英BE社 リプレースを見据え 準備調査を強化

政府のエネルギー政策に、原子力発電所の新設が盛り込まれるかどうか注目が集まる英国で、ブリティッシュ・エナジー社(BE)が既存炉のリプレースに向け、サイト準備調査を強化している。

英貿易産業省は今年5月、懸案となっていた新しいエネルギー政策案を発表。パブリック・コメントに付した後、政府内で協議を行っている段階だ。新しいエネルギー政策は、来年初頭にも発表される見込みで、原子力発電所の新設方針が決定された場合、戦略的サイト評価が実施される。

BEは政府が新設方針を下した場合、出来るだけ迅速かつ効率的にサイト評価を実施できるよう、従来から実施してきたサイト準備調査を、今後、一層強化するという。BEのB.コーリーCEOは、「BEの既存サイトはすべて、技術面ではリプレースが可能」と指摘した上で、「地元自治体との良好な関係を継続・強化し、規制当局との緊密な協力を継続することが重要」との認識を示した。

サイト準備調査では、環境影響評価だけでなく、送電系統の確保等も検討されている。BEはすでに、英国の送電部門を所管するナショナル・グリッド社と、サイズウェル、ヒンクリー・ポイント、ダンジネス、ブラッドウェルの四サイトを対象に2016年以降の送電網へのアクセス契約を締結している。これにより上記4サイトでのリプレースに関し、送電インフラの整備はナショナル・グリッド社が保証することになる。


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