[原子力産業新聞] 2008年1月7日 第2410号 <11面>

プレート地震に対応 最大級「想定東海地震」

静岡県から愛知県、三重県の陸地から沖合いにかけては、南海トラフに沿って、想定東海地震、東南海地震(1944年発生、マグニチュード7.9)の各震源域が並んで存在し、その両震源域が同時に動いた安政東海地震(1854年発生、マグニチュード8.4)がこの周辺地域最大の地震と考えられている。

その後、東南海地震は1944年に発生したが、もう一方の浜岡原子力発電所が位置する東海地域では安政東海地震以来、153年間も地震の空白地域となっている。この地域では歴史的に約100年〜150年毎に地震が繰返し発生することが特徴とされている。

国の中央防災会議は2001年に、想定東海地震のモデルを見直し、震源域をそれまでの長方形から3次元形状の野菜のナス形に変更した。その結果、震源域は西側に広がり、面積は約5割増加し、浜岡原子力発電所サイトが「想定東海地震の震源域」のほぼ中央真上に位置することになった。ただ、マグニチュード8.0は変更しなかった。

同時に同会議は震源断層面の固着度の程度を考慮して、地震時に特に大きな地震動を発生させる部分「アスペリティ」を6か所配置した。そのいずれの区域からも浜岡原子力発電所は外れている。

ただ、中部電力では3、4号機の新耐震指針に照らした耐震安全性評価において、地震の不確かさを考慮して、より厳しい条件として、海側の1つのアスペリティを仮想的に浜岡原子力発電所の敷地直下に移動することにより、結果として敷地周辺にアスペリティが集まったモデルを設定して評価した結果、新耐震指針をクリアしていることを確認している。


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