[原子力産業新聞] 2008年1月7日 第2410号 <13面>

事故から12年

経済産業省の安全検討会でも、「モチベーション維持や技術の継承の観点でどう若手を育成していくのか」、「プロジェクト全体のわかるような若手人材を育成することが必要」といった意見が出ており、技術力と人材の確保・育成は、今後の大きな課題といえよう。

また、昨年、高速増殖炉開発の中核企業選定が、原子力委員会に報告された際、「過去の起こった事故に対しての国民の不安というのは多い」とした上で、納得できる説明を「とことんやっていただきたい」という意見もあった。「もんじゅ」運転再開に際して、地域住民との対話など、対外コミュニケーションも重要だ。

「『もんじゅ』は大洗に作った方がよかったのかな」

動燃事業団(当時)OBの前述Y氏が言っていた。大洗にある先輩FBR「常陽」は77年の臨界以来、大過なく運転され、高速増殖炉技術開発に貢献してきた。原型炉「もんじゅ」には、その実績を受け継ぎ、来る実証炉開発につなぐべく、発電プラントとしての信頼性を確立していくよう、本年の確実な運転再開が期待される。


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