[原子力産業新聞] 2008年1月10日 第2411号 <2面>

柏崎刈羽 東電が合同WGに 敷地内地盤変状など中間報告

東京電力は12月25日の総合資源エネルギー調査会耐震・構造設計小委員会地震・津波、地質・地盤合同WGに柏崎刈羽原子力発電所敷地内の地盤変状や地下探査、周辺断層帯の地質調査などの結果について、中間報告した。

地盤変状は水平・鉛直変動、亀裂、噴砂、崩落などの各事象の詳細な調査を進めている。

最大1.6mを記録した地盤沈下では、構造物の際をはじめ埋戻し土の厚い場所、海側などで大きいことが明らかになっており、沈下メカニズムを理解するための模型振動実験による予備検討も実施した。各地盤における沈下の原因を推定、今後、数値解析でこのメカニズムの詳細を明らかにし、対策を検討すると報告した。

亀裂ではその発生要因を検討するとともに、設置許可時に活動性がないと判断した断層との位置関係の整理を進めており、今後、立坑を掘削し断層の状態を直接確認する計画を示した。また噴砂は一部のX線分析の結果から、その主体が埋戻し地盤の砂分であることが判明、今後ボーリング調査や液状化試験などを実施する。

一方、地下探査は敷地内や敷地近傍、発電所の北東に位置する長岡平野西縁断層帯について報告した。敷地内では地下1kmまでの探査により、設置許可時に確認していた新第三紀層の褶曲構造などを改めて確認しており、今後、敷地内他地点の探査結果も踏まえ地下構造を評価する。

長岡平野西縁断層帯では、逆断層の一部伏在、断層が伏在する位置の文献との差異、断層の連続性などが認められ、引き続き様々な地下探査測線の解析を進めるとした。


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