[原子力産業新聞] 2008年1月17日 第2412号 <8面>

お茶の水アカデミア研究会 放射線学の将来語る

フリーディスカッションをする有志の集まり「お茶の水アカデミア研究会」はこのほど、中央大学駿河台記念館(東京・千代田区)で、「50年後の放射線学を語る」を開催、設立50年を迎えた放射線医学総合研究所への期待の声などが主に交わされた。

放医研への勤務経験を持つ野島久美恵氏(文部科学省)が、「放射線のことなら何でもわかる」研究機関として、人類の将来に役立つ研究を展開していくことを期待したのに対し、原田良信氏・科学技術振興機構研究開発戦略センターフェローは、「『そのデータならあります』ではなく、プロジェクトをまとめ上げる『世界の最高峰』」たることを放医研に求めた。また、原田氏は、放射線に関する誤解・無知が過剰防護、お金の無駄につながっていることも指摘した上、放射線のリスクと便益について国民への十分な説明が必要と述べたが、メディアの立場から、長谷部耕二・読売新聞記者は、リスクコミュニケーションが「行政、事業者に都合のよい方向へ偏っていないか」と不信感を示した。


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