[原子力産業新聞] 2008年1月31日 第2414号 <2面>

【Salon】電力経営の要は原子力 北海道電力社長 近藤龍夫氏

昨年は多難な1年だったが、「今後も続く原油価格の高騰と地球温暖化対策の2課題に応えられるのは原子力発電」が浮き彫りになった。当社はこれまで泊原発1、2号機運転開始から20年近くになり累計利用率は85%と非常に高いものの、今後もうまくいく保証はない。高経年化プラントにはそれなりの労わりの心をもった管理≠ナ大事に扱っていきたい。

もう1つ、電力他社にないメリットとして泊3号機が現在建設中。昨年は不審火騒動があり辛い思いをしたが、当初予定の09年12月の営業運転開始を目指してがんばりたい。若干年老いた1、2号機にフレッシュな3号機が併入されると、原子力比率はキロワットアワーで現在の26%から40%にまで持ち上がる。その分、化石燃料の使用量を減らせると期待しており、電力会社の事業運営は今後、まさに原子力をいかにしっかり稼働させるかが要となろう。

その関連で特に気がかりなのはウラン燃料の先行きだ。2000年以来の価格上昇の影響はまだわずかだが、今後、解体核が無くなり需給バランスが崩れたところへ中国、インドなど経済発展著しい途上国の原発新設が集中すれば、原油並みにウラン価格の高騰と量確保がままならない時代が到来しよう。少資源国日本の備えとして、FBRに期待するのと合わせ、長期的視点に立ちウラン精鉱および減損ウランの巨大備蓄基地構想を考えておかねばと思うのは杞憂に過ぎるであろうか。  (英)


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