[原子力産業新聞] 2008年2月7日 第2415号 <1面>

原子力学会 法制検討会を立ち上げ 公開の場で検討へ 3年後、規制体系示す 委員長に班目東大教授就任

日本原子力学会は「原子力法制の在り方検討委員会」(略称=原子力法制検討会)を設置し、第1回会合を4日、東京・港区の航空会館で開催した(=写真)。

委員長に班目春樹・東京大学院教授を選出したほか、東京大学大学院の西脇由弘・原子力国際専攻教授から、これまで東大が事務局を務めて行なってきた原子力法制研究会の活動内容や検討状況などについて説明を聞いた。

委員には電力会社の役員、メーカーの技術者、原子力安全基盤機構、原産協会、原子力技術協会、学識経験者など、オブザーバーとして原子力安全・保安院、資源エネルギー庁、原子力安全委員会、文部科学省などの担当課長らが就任、いずれも個人の資格で参加する。

開会冒頭、辻倉米造・学会副会長(関西電力常務執行役員)が同検討会の設置趣旨を説明し、「法制度を抜本的に見直し、原子力技術を社会に根づかせていきたい。公正、公平の点から広く参加者を求めた」と述べた。

委員長に選出された班目教授は、「技術だけでは安全は確保できない。原子力関係の法は、つぎはぎの改正がなされ、抜本的な見直しがなされてこなかった。このことが安全の確保がうまくいっていない点でもあるのではないか。東大法制研究会が洗い出した結果を見ても、全体像が分かる人がいなかった」と述べ、法体系の抜本的な見直しの必要性を強調した。

議論の中で武藤栄委員(東京電力執行役員)は、「原子力は変化の時代を迎えている。我々も世界の中でパフォーマンス(原子力発電所の稼働率)を比較させられる。現場の納得感が重要であり、実効的な議論にしていきたい。資源配分のことから言っても、優先順位を付けて、役に立つことをみんな(規制行政庁、電力会社、メーカーなど)でやることが重要だ」と述べた。

会合ではこのほか、法の運用で解決できる課題、IAEAなどの安全基準との比較の観点、民間規格の活用などの検討の重要性が出された。

検討会では検討課題として、@社会と法制度A国、民間、社会などの役割と責任分担B国、自治体、メディア、事業者などの説明責任C規制法の体系D許認可のあり方――などを挙げている。

今後2年間でロードマップの作成、国と民間の役割分担の提示などについて中間取りまとめを行う計画で、毎年成果を報告書として作成、また学会の場でも報告する。さらに、2〜3年目までには法体系としての民間規格基準までを含めた体系を提示し、3年目以降は法律、省令、告示の在るべき姿の例示として明文化し提示する目標を掲げた。

次回会合は5月予定。


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