[原子力産業新聞] 2008年2月7日 第2415号 <2面>

安全委 自衛消防対策などで見解 「休日・夜間対応が重要」

原子力安全委員会は1月28日、中越沖地震の影響を踏まえた原子力安全・保安院による検討に対し、既に同院WGで報告書案がとりまとめられている「自衛消防および情報連絡・提供」に関して見解を発表した。

地震直後に発生した柏崎刈羽原子力発電所内の変圧器火災については、「消火活動が捗らない様子が実況中継され、自衛消防体制が機能しなかったことを広く示すこととなった」と述べ、大地震の際、原子炉の安全を確保しつつ、同時に消火活動を行うことの困難さが浮き彫りにされたとしている。

その上で、年間時間数の過半が休日・夜間であることからも、保安院WGで示された勤務時間外での自衛消防体制充実強化の方針は「極めて重要」との見解を述べた。

WG報告書の打ち出した具体的対策を実施に移す際、留意すべき事項としては、事業者の自主的な取組みの促進、原子力発電所ごとの特性の考慮とともに、このほど改訂された安全委員会の火災防護審査指針に基づく規制当局の対応を掲げている。

情報連絡・提供については、緊急時の初動段階での原子炉の重要な安全機能に関する情報の継続的公表に加え、その迅速性と正確性の双方への配慮を指摘している。

また、情報の透明度確保に向けた日常的取組みの重要性にも言及した。


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