[原子力産業新聞] 2008年2月14日 第2416号 <2面>

経済同友会 ポスト京都議定書で提言 原子力報道にも注文

経済同友会はこのほど、ポスト京都議定書の将来枠組みに関する提言を発表した。今夏の洞爺湖サミットを、各国の温室効果ガス削減に向けた取組を加速させる好機とし、日本の「真に実効性あるリーダーシップ」発揮を求めるもの。

ポスト京都枠組み構築に関連し、@世界人口問題への対処との連携A軸のぶれない原子力政策・再生可能エネルギー政策の継続Bエネルギー環境教育の充実C民生部門における効果的な省エネ推進――などの重要性も合わせて指摘。

提言では、温室効果ガス削減目標の基準年について、地球温暖化問題に対する各国一致した行動につなげるべく、新たに多くの参加国を迎え入れるため、90年に固執せず、「現時点に極力近い年次とすべき」などと言及。

原子力発電については、「エネルギー・セキュリティと環境保全の両面に資するため、着実に推進」との考えから、中越沖地震の知見も踏まえ、国と事業者が一連の不祥事等の再発防止対策を含め、安全確保に係わる取組を着実に実施、情報開示することにより、「国民の信頼を回復させることが不可欠」と述べた。さらに、国と地方自治体の役割の明確化、原子力発電の重要性の議論、高速増殖炉技術開発とこれに向けた技術者養成、学校でのエネルギー教育など、ぶれない原子力政策を推し進めていくことを求めた。

また、マスコミに対しては、世論形成や社会受容性への影響から、「原子力に関わる事象を正確かつ適正に報道すると同時に、原子力産業の現場を積極的に取材」することを期待した。


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