[原子力産業新聞] 2008年2月21日 第2417号 <2面>

20年かけ解体撤去へ ふげん 廃止措置計画が認可

原子力安全・保安院は12日、日本原子力研究開発機構の新型転換炉(ATR)原型炉「ふげん」(=写真)の廃止措置計画を認可した。今後約20年かけ、使用済み燃料搬出、原子炉周辺設備撤去、原子炉本体解体撤去、建屋解体までの廃止措置が進められる。発電炉の廃止措置は、日本原子力発電の東海発電所に続き2例目。

03年に運転を終了した「ふげん」は、原子炉内の全燃料取り出しを完了し、06年11月、国に廃止措置計画申請が行われた。このほど認可となった廃止措置は、放射能減衰を考慮し、工程を4段階に区分、2028年度終了の計画となっている。「使用済み燃料搬出期間」では、使用済み燃料と重水を搬出、供用を終了した放射能レベルの比較的低い、または汚染のない施設・設備の解体撤去に入る。「原子炉周辺設備撤去期間」では、原子炉冷却設備、燃料取扱い設備、燃料交換装置等を解体撤去し、原子炉本体の解体に備える。

工程中、最も長期を占める「原子炉本体解体撤去期間」で、放射能レベルの比較的高い原子炉領域始め、汚染した全ての設備・機器が解体撤去され、最終段階「建屋解体期間」で廃止措置対象全施設の撤去が完了する。

廃止措置に伴い、核燃料物質によって汚染された廃棄物約5万800トンの発生が見込まれているが、そのうち、放射性物質として扱う必要のない「クリアランス対象物」(約600トン)は、「放射性廃棄物でない廃棄物」(約14万1,000トン)と合わせ、可能な限り再利用を図ることとしている。また、廃止措置を通して得られる知見は、今後の原子力施設にも活用できるよう、安全性の実証を含め、成果の公開に努めていく。

廃止措置計画認可に伴い、原子力機構の「新型転換炉ふげん発電所」は12日、「原子炉廃止措置研究開発センター」に改称された。


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