[原子力産業新聞] 2008年2月28日 第2418号 <4面>

関西電力 電子線照射会社を設立 福井・エネ拠点計画に取組み

関西電力は26日、電子線照射事業に参入するため来月中旬に新会社「関西電子ビーム」を設立すると発表した。福井県美浜町が計画中の産業団地に事業所を建設し、国内最大級の10MeVの電子線照射装置を導入、2010年度の操業開始を予定する。

同事業は、福井県が進める「エネルギー研究開発拠点化計画」における「研究開発機能の強化」への取組みの1つとして、検討してきた。

新会社の本社は大阪市の関電本店内に置き、代表者には関電の豊松秀巳・執行役員が就任。資本金は3,000万円で、関電が97%を出資、3%は原子燃料工業が出資する。原燃工は電子線照射事業で実績を有し、関電は同社の協力を受けながら新事業を進める。

事業内容は、電子線による滅菌処理や材料の改質処理、これらに関連する研究技術開発や顧客支援サービスなど。原燃工が熊取事業所に設置している電子線照射装置と同様の10MeV装置を導入予定で、事業所設置に伴う設備投資は20億円以上になる見通し。

大学や企業にも同施設の利用を積極的に働きかけ、電子線照射による新製品や新技術の共同研究など、産学官連携による研究技術開発を推進するとしている。


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