[原子力産業新聞] 2008年2月28日 第2418号 <4面>

J‐PARCセンターがスイスと覚書 核破砕材料技術開発

日本原子力研究開発機構と高エネルギー加速器研究機構の共同運営組織であるJ‐PARC(大強度陽子加速器施設)センターは21日、スイスのポール・シェラー研究所(PSI)と核破砕材料技術開発の研究協力の覚書を締結した。

J‐PARCは高エネルギー陽子を水銀、鉛などの金属ターゲットに衝突させ、同材料の原子核を核破砕、二次粒子である中性子・パイ中間子・K中間子・ミュオン・ニュートリノなどを発生させ、様々な用途に利用する。陽子とターゲットの衝突による損傷は、機器の寿命を左右し、J‐PARCセンターでは、以前からPSIの核破砕中性子源施設の陽子ビームを利用し、損傷評価技術の研究を進めてきた。

今回の覚書で、両機関が有する技術を利用、一層の研究推進を目指す。原子力機構と米倉製作所(大阪市)が共同開発した微小試験片専用の試験機をJ‐PARCからPSIに持込み、共同試験を行う。PSIが保管する多くの照射済み試料の試験を進め、材料の耐久性を評価するとともに、PSIの専用施設でナノ組織レベルでの研究も推進する。


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