[原子力産業新聞] 2008年2月28日 第2418号 <4面>

東京・北区で地層処分討論 原産協会の理解促進活動

日本原子力産業協会は、高レベル放射性廃棄物処分について、全国各地で理解促進の対話集会を開催しているが、23日、東京・北区の田端文士村記念館で意見交換を行った(=写真)。

月2回開催している「北区雑学大学」という、元早稲田大学総長の故小山宙丸氏が03年に創設し、誰でも自由に聴講でき、話題も話したい人が講師を務めるという手作りの会で、約15名が参加した。芥川龍之介や菊池寛といった文豪が多く住んでいた田端という土地柄もあって、普段は文学や文化の話が多い中で、首都圏に住む一般市民が原子力や高レベル地層処分についての関心のありようなども探った。

同協会赤坂秀成担当役が世界のエネルギー事情、環境問題などを紹介、高レベル廃棄物処分の特質などについて説明した後、質問や意見を聞いた。

質問としては、「処分地は山と海とどちらの近くがいいのか」、「今後、処分場がこのまま見つからなかったら、国がエイヤッと決めて進めてしまうのではないか」、「ウランはいつまで掘れるのか」、「原子力発電を始めたときから、処分地を想定していなかったのか」――など。

意見としては、「ピラミッドなど歴史的遺産に学び、オープン掘りにして、その上に石で覆う方がよいのではないか」などが出された。都心地ということもあり、直接、処分場とは関係のない地元住民の心配事、地震影響、再処理後のセシウムやストロンチウムの利用可能性などについても、質問があった。


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